2011年公開だったコメディ映画「モンスター上司」でのコリン・ファレルを、今になって掘り下げてみたい。
社会問題になっているパワハラやセクハラをブラックに皮肉った内容になっている「モンスター上司」。
コリン・ファレル演じるボビー・ペリットの最低な上司ぶりに、現代社会へ不満を持った者は笑いのツボを押されまくったことだろう。
かつてはクールなキャラクターばかり演じていたコリン・ファレル。
40歳に突入して、新しい自分の演技の模索を始めたようだ。
モンスターなコリン・ファレルが憎めない
この映画の中でのコリン・ファレル演じる男はパワハラのすべてをやり尽くす、文字通りモンスターのような男。
分かりやすいバーコードハゲや、イヤらしい目つきは、どこからどう見ても女性社員の敵。
ただ、この映画のプロモーションでも使われていた「バカハラ」という形容が素晴しく似合う。
この映画の監督は「彼がコリン・ファレルだって、ほとんどの人が分からないと思うよ。」とコメントしている通り、映画を見終わった後に「あれがコリン・ファレル・・・」と絶句することだろう。
2011年といえば、コリン・ファレルは「クレイジーハート」という映画で大人びたカントリーミュージシャンを演じていた。あの映画を観た後に「モンスター上司」を観ると、特にコリン・ファレルの演技の幅に驚かされることだろう。
ただカッコいいという演技から離脱して、コメディという新しいジャンルも学んだコリン・ファレル。オヤジになった後もハリウッドにしぶとく残りそうだ。
思えば、ブラッド・ピットも今のコリン・ファレルと同じ歳ぐらいの時期にいきなりコメディに出演して映画界を驚かせていた。今の彼と当時のブラピがだぶって見える。