エミリー・ブラントがヒロインのLOOPER!
オリジナル脚本作品なんですが、この映画 は奇跡的なセンスの良さでその危険を回避しているのが凄いと思いました!ネーミングやプロダク トデザイン的に、ルーパー=未来マフィアのための掃除屋が使う「ラッパ銃」 や、点眼する麻薬、燻り果てた街角!
どこかの誰かのルーズリーフに描いてあるような厨二っぽさ を感じさせながら、それをこれみよがしに説明し ないことで野暮に落とさず世界を作っている。計算されつくした……という雰囲気でもなく、多分にライアン・ジョンソンの天然なんじゃなかろうか!
予想以上にロジックの部分はすっ飛ばしてて、途中ジョセフ・ゴードン=レ ヴィットが未来の自分=ブルース・ウィリスにタ イムトラベルの事とかちょこっと聞こうとした瞬間ウィリスが「そこマジ複雑なんだよ! それ話してっと進まねえから!」と逆ギレ、それでその話はおしまい!
この映画が面白さって、このスッ飛ばし感あってこそだと思うんです。説明しない、理由付けしないからこその粋な雰囲気。
投げっぱなし ジャーマンなストーリーラインが気持ちいいんです!
主人公ジョーは未来から送られてきたマフィアのお荷物を機械的に殺す仕事をしてるんだけど、 現場の末端に居る彼がそもそもタイムトラベルの 仕組みを分かっていない。
ドヤ顔で「パラドックスだ……」とか言ったりしない。スマートでクレバーで将来の夢もあるん
だけど、どこか、見たくないものを見ようとせずに刹那を生きている!
何が起こっているのかよく分かってない 混乱っぷりは、主人公も観客も等しいものを共有出来る。未来の自分と彼が語る「行く末」に振り回され、抗おうとし、ヒロイン(エミリー・ブラ ント)に出会い、未来を知っている登場人物が居 るのに先がどうなるのか全く分からないままエンディングまでズリズリと押しやられていく!すごく気持ちよかったです!
イイナと思ったシーン!途中、エミリー・ブラントがベッドの上で一人ご自愛をしかけるんですが、ちょっと思い止まって、「どう すっかなあ……」みたいな顔をして、ここの、愛とか恋とか じゃなくてムラムラが先行してるラブシーンが実に良かったですね。ただその後の思い出話、直前まで最高に新しくてそっけない濡れ場があったのに、そんな手垢の付いたエピソードに繋げちゃうのーって!
エミリーブラントは最高でした!